貧乳
なぜ貧乳がカタルシスの原点足りえるかを説明するには、まずはホモ・サピエンスがなぜ乳房を生得するに至ったかを、順を追って説明せねばならない。それを理解して初めて、貧乳がヒトの救いたることを理解できるようになるのだから。
古い話になる。元来生物の繁栄において、乳房の大小なるものが重要視されることはなかった。乳房とは、子に乳を与えるための器官に過ぎなかったのだ。
だが、ヒトの先祖が二足歩行を習得したことにより、状況は大きく変わり始めた。ヒトの乳房に、確かなエロスが求められ始めたのである。エロスとは、すなわち愛である。愛は、ヒトの種の繁栄において非常に重要なファクターである。ヒトに浄化をもたらすことができる。もう、理解できただろう。乳房は愛につながり、その先にはすなわち浄化があるのである。遺伝子に深く刻まれた、確かな事実だ。これを否定することは不可能である。
しかし、これでは貧乳がカタルシスの原点足りえることを説明できたことにはならない。上記の説明では、乳房自体の存在理由にしかならない。だからこそ、説明を重ねようと思う。
貧乳がカタルシスの原点たる理由。それは……